【1月30日 AFP】欧米の女性たちがイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に加わるのは、男性の参加者と同じくイデオロギーに基づく情熱に突き動かされての行動であり、被害者として扱うのではなく、危険性を秘めたチアリーダーとみなすべきだとする専門家の報告書が28日、発表された。

 英ロンドン(London)を拠点とする「戦略対話研究所(Institute for Strategic DialogueISD)」がまとめた新たな報告書によると、イラクとシリアに渡航した女性たちは推計で550人に上り、現地で結婚して家事や子育てを担うとみられている。

 こうした女性たちは戦闘への参加を禁止されているが、多くはソーシャルメディアを通じて信念を宣伝するのに熱心で、イスラム国戦闘員の残虐な暴力行為を称賛し、参加者の勧誘を進んで行い、外国での攻撃を奨励さえしているという。

「暴力的な表現や信念に対する熱心さは、一部の男性メンバーと同じくらい強い」と、報告書を共著した過激派問題の専門家、ロス・フレネット(Ross Frenett)氏はAFPに語った。「懸念されるのは、われわれの期待通りにイスラム国が弱体化していった場合、これらの女性たちが今いる家庭的な世界から、より暴力的な世界に次々と身を投じていくことだ」

 若い女性たちが「イスラム聖戦士の花嫁」となる問題については、既にさまざまな媒体で指摘されている。だが、高揚感にかられて勧誘に乗った純真な女性たち、という現在主流となっている説明では、女性たち自身の信念や情熱の重要性をねじ曲げて伝えてしまうことになる。