【1月28日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は27日、サウジアラビアを訪問してサルマン(Salman)新国王と会談し、両国が進めるイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」との戦いなどについて協議した。米政府高官が明らかにした。

 この米政府高官によると、両首脳はこの他イランの核開発問題や人権問題についても話し合った。サウジは米国にとって中東地域での古くからの同盟国であり、昨年来、米国主導で実施されているイスラム国への空爆にも参加している。

 一方、アナリストらによれば、サウジは米国がアジア重視の政策へとかじを切る中、イエメンやリビアなど中東のその他の地域での危機への関与が不十分になっているとして不満を募らせている。スンニ派が多いサウジは、オバマ大統領がシーア派が多いイランの核開発問題の協議を推進する姿勢を維持していることにも不快感を示している。

 オバマ大統領のサウジ訪問にはジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元米大統領の政権で国務長官を務めたジェームズ・ベーカー(James Baker)氏を含む29人の大型代表団が随行した。オバマ政権が米国とサウジの2国間関係を重視していることを示すのが目的とされる。

 オバマ大統領はアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdulaziz)サウジ前国王の死去を受けてインド訪問の日程を短縮して急きょサウジを訪問し、およそ4時間滞在した。(c)AFP/Ian Timberlake