1月27日 AFP】小説「ドン・キホーテ(Don Quixote)」の作者、ミゲル・デ・セルバンテス(Miguel de Cervantes)の遺体捜索が行われているスペイン・マドリード(Madrid)の女子修道院で、セルバンテスのイニシャル「M.C.」と記された棺の一部が見つかった。スペインの研究チームが26日に明らかにした。

 セルバンテスの埋葬場所をめぐる謎を解き明かすため発掘作業を行っていた研究チームは、先週末に三位一体女子修道院(Convento de las Trinitarias Descalzas)の地下室のアルコーブ(壁のくぼみ)の中から棺の一部を発見した。

 調査チームを率いる法人類学者のフランシスコ・エチェベリア(Francisco Etxeberria)氏は記者会見で、「複数の棺の残骸が見つかった。木片や石、骨片など。板の断片には、打ち付けられたびょうで『M.C.』という文字が記されていた」と説明した。

 セルバンテスは、1616年4月22日に死亡した。英劇作家ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)も同じ週に死亡している。セルバンテスの遺体は、死亡の翌日にマドリード中心部にある同修道院の教会に埋葬されたと記録されている。ただ墓の正確な場所は明らかにされていなかった。

 エチェベリア氏率いるチームは、スペインの偉大な作家の埋葬場所を特定するため、2014年4月に初の本格的な調査を開始。赤外線カメラや3Dスキャナー、レーダー探知機などを用いて、遺骨が保管されていると考えられるアルコーブ33か所を特定した。

 研究チームは今後、発見した骨片の中にセルバンテスのものが含まれているかを特定するための作業を行う。

 エチェベリア氏は、「イニシャルの2文字は非常に興味深いものかもしれない」が「人類学的な見地からすると、われわれはまだ何の前進もしていない」と述べ、まだ作業が終わっていないことを改めて強調した。(c)AFP