【1月20日 AFP】糖尿病や特定のがんなどライフスタイルの選択による疾患が、毎年1600万人の早死に関わっていることが、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が19日に発表した報告書で明らかになった。WHOは、「徐々に進行する公衆衛生の悪化」を食い止めるための対策を呼び掛けている。

 WHOが発表した慢性疾患の予防と管理についての報告書は、喫煙や大量の飲酒、脂肪分や塩分、糖分の大量摂取などの不健康な習慣が、全世界で死亡原因の上位を占めるさまざまな疾病のまん延を引き起こしていると指摘した。

 報告書によると2012年、心血管疾患や糖尿病、肺疾患、特定のがんなどの非伝染性疾患(NCD)により、全世界で3800万人が死亡した。そのうちの1600万人は、70歳未満だった。また全世界では毎年1600万人が、NCDが原因で早死にしており、そのうち82%は、貧困および中所得国の患者が占めているという。

 早死にした人のうち、喫煙がその原因とされたのは年間約600万人。他方、アルコールの乱用は330万人、運動不足は320万人、塩分の過剰摂取は170万人に上った。

 同報告書の主執筆者であるシャンティ・メンディス(Shanthi Mendis)氏は、5歳未満の子ども4200万人は肥満と考えられ、未成年者の推定84%は十分な運動をしていないと指摘。こうした状況について「非常に恐ろしい」と述べている。

 国際社会はすでに、不健康な習慣を変えるための全世界を対象とした9つの目標を定めており、2011~2025年にNCDが原因の早死にを25%減少させることを目指している。

 このうち、たばこやアルコール飲料の広告の禁止や、塩分やカフェインを大量に含む食品や飲料への課税は、一部の国ではすでに効果を上げているという。トルコでは、たばこ広告の禁止と大幅な値上げ、健康への悪影響の周知などによって、喫煙者の割合が2008年以降13.4%減少している。(c)AFP/Nina LARSON