【1月20日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は19日、良いカトリック教徒であるために「ウサギのように」産み続ける必要はないと語り、信者らに責任ある家族計画を求めた。

 世界のカトリック教徒12億人を率いる法王は、訪問先のフィリピンから帰国する機内で記者団に対し、人工的な避妊を禁じるカトリック教会の教えを擁護する一方で、必ずしも信者らに「次から次へと子どもを産み続ける」ことを求めているのではないと語った。

 フランシスコ法王はフィリピンで出会った7人の子を持つ女性の話を披露。この女性は7人とも帝王切開で出産し、8人目を妊娠していた。法王が女性に「7人の子どもたちを置き去りにしたくなったりしませんか?」と尋ねたところ、女性は「私は神を信じていますから」と答えたという。

 法王は「だが神はわれわれに責任を負う手段も与えている」「良いカトリック教徒でいるためには、ウサギのようにならなくてはいけないと思っている者もいる」と語った。

 一方で、新たな生命を誕生させることは「結婚の秘跡の一部」との認識も示した。フランシスコ法王は今回のフィリピン訪問で、1968年に人工的な避妊を認めないとした故ローマ法王パウロ6世(Paul VI)の判断への強い支持を表明していた。

 法王は「パウロ6世は(貧困層の産児制限による人口抑制を唱えた)新マルサス主義(neo-Malthusianism)の台頭を懸念していた」とした上で、新マルサス主義は「人間性の管理」を試みたものだと指摘。「彼(パウロ6世)は預言者だった」と述べた。また、「カトリック教会の重要な教えは、責任ある親となることだ」とも付け加えた。(c)AFP