【1月19日 AFP】中東歴訪中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、18日にイスラエルのテルアビブ(Tel Aviv)に到着し同日、エルサレム(Jerusalem)でベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と会談を行った。

 6日間の中東歴訪でエジプト、ヨルダンを訪問してきた安倍首相は最後の3日間をイスラエルとパレスチナ自治区の訪問にあてる。日本の首相がイスラエルを訪問するのは、9年ぶり。訪問には、日本の政府高官や各分野で世界をけん引する日本企業の幹部ら約100人が同行している。

 今回の安倍首相訪問について、イスラエル側は日本との経済関係強化の機会として歓迎している。会談でネタニヤフ首相は安倍首相に、「日本とイスラエルの人々の大きな力を結びつける歴史的機会だ」、「経済分野、技術分野、その他の分野の多くで、協力できる分野があると思う」と述べた。

 またネタニヤフ首相は自らの閣僚たちに対し、安倍首相訪問は中国やインドを含む極東地域の市場開拓を継続する機会だと語り、イスラエルがアジア地域への進出を切望するのは「西欧の一定の市場に対するわが国の依存を軽減するため」だと述べた。さらにネタニヤフ首相は「西欧にはイスラム化、反ユダヤ、反シオニズムの波が押し寄せておりが進行しており、われわれとしてはイスラエルが世界中に多様な市場を持てるようにしたい」と語った。

 今回、安倍首相は最初に訪問したエジプトで、イラクやシリアで活動するイスラム教スンニ派(Sunni)派の過激組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の影響を受けている国々に対する25億ドル(約2900億円)の人道・開発支援を表明した。

 20日にはパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)自治政府議長と会談する。(c)AFP