【1月10日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は9日、エボラ出血熱が猛威をふるう西アフリカのギニア、シエラレオネ、リベリアの3国で、安全性が確認されたワクチン2種について、効果を確かめるため人体への試験的投与を数週間以内にも開始すると発表した。

 今回、試験的に投与されるのは英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKlineGSK)のChAd3と、米医薬品大手メルク (Merck)が開発しカナダ公衆衛生局(Public Health Agency of CanadaPHAC)が製造したVSV-EBOVの2種類のワクチン。

 臨床試験はまずリベリアで1月末までに始められる予定で、3か国で8259人の死者を出したエボラウイルスの感染予防効果があるかどうかを調べる第3相臨床試験を行う。WHOによると、ギニアとシエラレオネでも2月に同じワクチン2種の臨床試験が開始される予定。

 これら2種のワクチンは、スイス、マリ、ガボン、英国、ドイツ、カナダ、米国など世界各国で、安全性を確認するためボランティアへの試験的投与が行われてきた。WHOによると、これらのワクチンは、今年半ばまでに接種数百万回分、2016年までには数千万回分が用意できる見通しだという。(c)AFP/Nina LARSON