■ロマ人めぐるあつれき浮き彫りに

 しかし、人権擁護派のジャック・トゥーボン(Jacques Toubon)元文化相は4日、人権問題オンブズマン(行政監察官)がこの問題について調査を開始したと発表。「あまりの衝撃に、あぜんとしている」と語った。

 マニュエル・バルス(Manuel Valls)首相も、ツイッターで「出自を理由に子どもの埋葬を拒否するのは、その子どもの人生に対する侮辱であり、フランスへの侮辱でもある」と批判した。

 フランスでは、主に東欧諸国から流浪してきたロマ人と地元住民とのあつれきが社会問題となっている。全土に暮らすロマ人口は約2万人だが、生活に必要最低限の物資さえ足りないのが現状だ。死亡した女児の一家も、シャンプランの街はずれに建てた小屋で電力も水道もない暮らしを送っている。

 地元のロマ支援団体によると、女児は昨年10月14日に生まれたが12月26日の早朝、授乳しようとした母親が冷たくなっているのに気付いた。急いで病院に連れて行ったが死亡が確認され、乳児の突然死と診断されたという。女児の両親は共に30代で、フランスには少なくとも8年間住んでいるという。

 歴代のフランス政府は、複数のロマ人居住キャンプを強制撤去したり、子どもを含むロマ人一家を強制送還したりして批判されている。(c)AFP/Clement ZAMPA