【1月5日 AFP】バルト海沿岸国のリトアニアは1日、自国通貨リタスを廃止し、欧州単一通貨ユーロを導入する19番目の国となったが、同性愛者の権利活動家によると、少なくとも1種類の旧リタス紙幣が依然として人気を集めているという。

「リトアニア同性愛者同盟(Lithuanian Gay League)」の共同創設者、ウラジーミル・シモンコ(Vladimir Simonko)氏がAFPに語ったところによると、西欧諸国の同性愛者の間では制服姿のパイロット2人が描かれた10リタス紙幣が高い人気で、実際の為替レートの4倍にもなる10ポンド(約1840円)で売買されることもある。紙幣に描かれた「制服姿のハンサムな2人の男性」の絵が、「なぜ男性2人なのか」「2人はどういう関係なのか」などと外国人の興味をかきたてるのだという。

 10リタス紙幣の2人は、1933年に無着陸での大西洋横断飛行に挑戦したリトアニア人パイロット、ステポナス・ダリウス(Steponas Darius)とスタシス・ギレナス(Stasys Girenas)。米ニューヨーク(New York)からリトアニアのカウナス(Kaunas)を目指す大西洋(Atlantic Ocean)横断の旅へと飛び立ったが、離陸から約37時間後に墜落事故を起こし死亡した。2人はリトアニアで英雄と称えられている。(c)AFP