【12月29日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で28日、北大西洋条約機構(NATO)が主導した国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)の13年間に及んだ任務の終了を記念する式典が行われた。

 首都であっても同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)から攻撃される恐れがあるため、式典の準備は目立たないように行われ、生中継も禁止された。ISAF司令部のスポーツ会館で行われたこの式典で、昨年から段階的に進められてきたISAFからアフガニスタン治安部隊への治安権限の移譲が完了した。

 ISAFのジョン・キャンベル(John Campbell)司令官(米軍大将)は兵士たちを前に、「われわれは共に…アフガン国民を絶望の暗闇から救い出し、未来への希望を与えた」と述べた。「諸君はアフガニスタンを強化し、わたしたちの国の安全を高めた」

 2001年以降これまでにISAF要員3485人が犠牲になった戦闘任務に代わり、2015年1月1日からNATOの「訓練および支援」任務が始まる。来年以降もアフガニスタンに残留する1万2500人規模の外国部隊は原則として戦闘には直接関与せずに、軍と警察を合わせて約35万人のアフガニスタン治安部隊を支援する。

 しかし、アフガニスタンでは流血の事態が増えており、同国が再び混乱に陥るのではないかという懸念が強まっている。国連(UN)によるとアフガニスタンで2014年にタリバンの攻撃などで死亡した民間人は11月末までに3188人を数え、前年の同じ期間より19%も多くなっている。アフガニスタン治安部隊の人的損害も大きく、2014年1~10月だけで、ISAFの2001年以降の犠牲者の総数を大きく上回る4600人以上が死亡している。

 タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はAFPに対し、「今日の式典が示しているように、米国とNATOの任務は完全な失敗だった」と述べた。(c)AFP/Ben Sheppard