【12月25日 AFP】ナイジェリアで今月初めに爆発物を体に巻き付けた状態で拘束された14歳の少女が24日、警察当局の開いた記者会見で、両親に自爆攻撃を志願させられたと告白した。

 ザハラウ・ババンギダ(Zahra'u Babangida)さんは12月10日、北部の最大都市カノ(Kano)の市場で2件の自爆攻撃が起きた後、カノ郊外の病院で身柄を拘束された。この自爆攻撃では10人が死亡した。

 警察の指示で記者団の前に姿を現したババンギダさんは、イスラム武装集団に自爆攻撃への参加を強いられた経緯を語った。

■自爆すれば『天国に行ける』

 それによると、ババンギダさんはイスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」を支持する両親に、カノ州の町ギバンザナ(Gidan Zana)郊外の森林に連れていかれたと語った。森の中には武装集団の潜伏先があり、そこで指導者の1人から「自爆攻撃がどういうものか知っているか」と尋ねられたという。

「『君にできるかい』と聞かれた。私は、できないと答えた」

「『もし実行したら、君は天国に行くんだよ』とも言われた。私が『いいえ、私にはできません』と繰り返すと、彼らは私を銃で撃つか、地下牢に投げ込むと言った」

 死の恐怖に直面したババンギダさんは、とうとう攻撃への参加を了承した。だが、「実際に実行するつもりは全くなかった」という。

 数日後、ババンギダさんは別の少女3人と一緒に爆発物を身に付けさせられ、見知らぬ男たちによって市場へ連れていかれた。少女の1人が爆弾を爆発させた際に負傷したババンギダさんは、現場から逃走。爆発物を巻き付けられたまま、カノ郊外の病院にたどり着いたところで発見されたという。

 警察当局によると、ババンギダさんに証言させたのは12月10日の自爆攻撃の背後にいる者たちについて世論の関心を高めるため。ただ、証言を裏付ける証拠はなく、記者会見には弁護士の付き添いもなかった。ババンギダさんの両親が現在どうしているのかについても、情報はない。

 だが、仮にババンギダさんの証言が事実と確認されれば、親がわが子を自爆攻撃に志願させたことが判明した初の事例となる。

 ボコ・ハラムは最近、少女や女性を使った自爆攻撃の頻度を増やしている。(c)AFP