【12月25日 AFP】カナダ・ケベック(Quebec)州高等裁判所の陪審は23日、中国人留学生をスクリュードライバーで刺殺し、性的行為をした上で遺体を切断したとして起訴された元ポルノ俳優のルカ・ロッコ・マグノッタ(Luka Rocco Magnotta)被告(32)に、殺人罪などで有罪評決を言い渡した。これにより、25年間仮釈放なしの終身刑が自動的に決定した。

 2012年5月に中国人留学生の林俊(Lin Jun)さん(当時33)が殺害されたこの事件は、カナダ司法史上最も世間を騒がせた殺人事件の一つとなった。9月に始まった公判でマグノッタ被告は、林さん殺害を認める一方で、第一級殺人罪については無罪を主張していた。

 ガイ・コルノイエ(Guy Cournoyer)判事は先週、カナダの法の下では被告の人格障害は精神疾患に該当するとの見解を示していたが、これに対し検察側は、被告には善悪の判断能力があり、少なくとも事件の半年ほど前から残酷な殺害を計画していたと主張していた。

 女性8人と男性4人からなる陪審団は8日間にわたる評議の結果、全員一致で評決を決定した。マグノッタ被告は評決が読み上げられる中、目を閉じたまま感情を外に出すことはなかった。

 被告は約10年前に同性愛者向けのアダルトビデオに出演していた。(c)AFP