【12月24日 AFP】北朝鮮では23日も前日に続き正常なインターネット接続ができない状態が続いた。米政府は、米映画製作会社がサイバー攻撃を受けたことへの報復に踏み切ったのか明らかにしていない。

 専門家らは、北朝鮮でインターネットが突然異常を来した原因としていくつかのシナリオが考えられると話しているが、何が起きたのか正確に知ることは不可能だとしている。

■米国が北朝鮮にサイバー攻撃をしたのか?

 北朝鮮のインターネットの不調と、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が今月19日に米映画製作大手ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)が先月サイバー攻撃を受けたことへの報復を行うと述べたことを関連付ける人もいるが、多くの専門家はこの見方に懐疑的だ。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International StudiesCSIS)のジェームズ・ルイス(James Lewis)シニアフェローは、「米国にはこれほど速い意思決定は無理だという点からも、そのようなことは考えにくい」と言う。もっとも、オバマ政権は北朝鮮政府に対する対抗措置について説明を拒んでいる。

■中国が北朝鮮にサイバー攻撃をしたのか?

 可能性があるシナリオのリストを作れば、これはかなり上の方に来るだろう。北朝鮮は4本の基幹ネットワーク回線しか持っていない。いずれも中国の通信事業者、中国連合通信(チャイナ・ユニコム、China Unicom)が運営しているもので、中国を通っている。

 中国は北朝鮮の若き指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の常軌を逸した行動にいら立ちを強めていた。中国はインターネットの接続を止めるだけで北朝鮮への強い不快感を示すとともに、情報を盗む目的で米企業をハッキングしたとして中国人民解放軍の将校5人を起訴した米国との関係も強化できる。

 しかし、単にインターネット接続を止めたのでは、今回伝えられているように北朝鮮のネットワークの不安定な状態が長時間にわたって続くという現象は起きなかっただろう。