【12月23日 Relaxnews】これほど多くの人が世界を移動したことはかつてない── 。国連世界観光機関(UN World Tourism OrganizationUNWTO)の統計によれば、2014年の海外旅行者の数は過去最高となり、11億人を超える見込みだ。

 2014年1月から10月末までに、全世界で海外旅行をした人の数は前年同期比で4500万人増(5%増)の9億7800万人に達した。

 特に増加が顕著だったのは、南北アメリカ大陸(8%増)やアジア・太平洋(5%増)、欧州(4%増)だ。

 UNWTOのタレブ・リファイ(Taleb Rifai)事務局長は、2014年は世界的に景気回復が依然として不透明で脆弱であることや、エボラ出血熱が猛威を振るい、地政学的な混乱などがあったことを考えれば驚くべき数字だと指摘した。

 南北アメリカ大陸は、2003年の重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory SyndromeSARS)流行以降の10年で最高を記録し、その中でも特に好調だったのは米国とメキシコだった。

 アジア・太平洋地域では、インド(7%増)にけん引された南アジアが最も好調で、8%増だった。北東アジアでは日本と韓国が2桁成長を達成し、オセアニアは6%増だった。一方、タイへの旅行者数が減少したことで東南アジアの成長率は鈍化し2%増だった。

 世界で最も旅行者が訪れる欧州では、外国人観光客数は4%増だった。ギリシャやポルトガル、スペイン、マルタなどの人気の旅行先で堅調な成長を記録。西欧は2%増。過去3年連続で8%増だった中東欧は横ばいとなった。

 中東では4%、アフリカでは3%増だった。(c)Relaxnews/AFPBB News