【12月22日 AFP】14-15シーズンのドイツ・ブンデスリーガ1部では、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が新記録となる勝ち点11差の首位に立って前半戦を終えたが、リーグ戦が退屈になるのをどう食い止めるかで議論が巻き起こっている。

 ジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督率いるバイエルンは、ここまで国内のライバルをまったく寄せつけない戦いぶりを見せ、リーグ3連覇はもちろん、ブンデスリーガでは初となる無敗優勝も狙える状況にある。

 さらに、2-1の逆転勝利を飾ったマインツ05(Mainz 05)戦を終えて、チームは勝ち点差以外にも最少失点、折り返し時点での歴代最多勝ち点と、複数の新記録を作っている。

 失点は通算でわずかに4、さらに獲得可能な勝ち点51のうち、落としたのはわずかに6ポイントと、バイエルンはここまで、味気なさも感じる一人勝ちを続けている。

 2位以下には、VfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)、バイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)、ボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)、シャルケ04(Schalke04)と続くが、そのなかに、現実的にバイエルンとの勝ち点差を詰められそうなチームはなく、昨シーズン2位のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)は降格圏であえいでいる。

 そのなかで、ドイツ代表指揮官を務めたこともあるベルティ・フォクツ(Berti Vogts)氏の発言が波紋を呼んでいる。同氏はバイエルンの絶対的な一強状態を崩すため、バイエルンが受け取るテレビ放映権料の割合を減らすべきだと提案した。

 ブンデスリーガは現在、スカイ・スポーツ(Sky Sports)と6億2800万ユーロ(約920億円)で国内の放映権契約を結んでおり、その金銭は各チームに分配されるが、リーグ優勝チームには最も高額が割り振られる。

 これについて、フォクツ氏は「例えばテレビ放映権料の分配方法を再考するなどして、比較的に小さなクラブに資金援助を行う。われわれは、そのくらい踏み込まなくてはならないところへ来ている」と話した。

 しかし、あくまでひとつの提案だったにもかかわらず、激しく反論する者が現れ、バイエルンとドイツ代表でMFとして活躍したパウル・ブライトナー(Paul Breitner)氏は、「ほかのクラブが無力だろうが、うち(バイエルン)には何の関係もない。金の分配方法を変えて、うちが血を流さなくてはならないのは、まったくもってナンセンスな話だ」とまくしたてた。

 バイエルンは世界有数の資金力を持つクラブで、2013年の収入は5億2870万ユーロ(約770億円)、利益は1650万ユーロ(約24億円)を記録。先日は、本拠地アリアンツ・アレーナ(Allianz Arena)の建設費を予定より16年早く繰り上げ返済することを発表している。