【12月20日 AFP】英国イングランド(England)北西部のウィガン(Wigan)で19日、毎年恒例のパイの早食い選手権が開催されたが、ある若者が犯した過ちのため、大会の無効が宣言されてしまった。

 英国のメディアが同日伝えたところによると、競技用のパイが近くで開かれた離婚パーティー会場に配送され、離婚パーティー用のパイが選手権の会場に届けられた。パイ製造会社のインターンの従業員が届け先を間違えたのが原因だという。

 競技の規定では、パイは直径12センチ、厚さ3.5センチ、パイの66%が肉であることと決められているが、開催前日の18日に会場に届けられたパイの直径は、規定の2倍の24センチだった。

 会場となるパブのオーナー、トニー・キャラハン(Tony Callaghan)さんは、「インターンの少年は競技用のパイ24個をここに届けてくれるはずだったが、近所で行われていたパーティーの会場と配送先を間違えてしまった。私たちはそれに気づいたが、もう手遅れだった」と説明した。「大会を始めるしかなかった」

 このオーナーは「参加者は皆、パイに向かって踏み出し、実に高いレベルのパイ食いのプロ意識を見せてくれた」と語ったと、英国放送協会(BBC)は伝えている。

 ウィガンでフィットネス・インストラクターとして働く元チャンピオンのバリー・リグビー(Barry Rigby)さん(37)が42.6秒で大きすぎるパイの半分を食べてベストタイムをたたき出した。

 キャラハンさんは、「こんなことになって残念だよ。あいつらは長時間の練習を何度もしてきたんだ。ウィガンでは街のあちこちで夜遅くまでパイ食いの練習をしているんだ。それを見れば彼らがどれほど真剣に取り組んでいるか分かるよ」と話した。

 この選手権は、1992年から毎年開催されており、今年は第22回大会だった。(c)AFP