【12月19日 AFP】米国防総省は18日、米軍がここ数週間にイラクで実施した空爆により、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の幹部数人が死亡したと発表した。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は声明で、「11月中旬から、有志連合による空爆により、(イスラム国の)複数の上級・中級幹部の殺害に成功した」と発表。「われわれは、これら幹部の死亡により、イラクのクルド人部隊など治安部隊に対するISIL(イスラム国の別称)の作戦の指揮統制能力は弱まると考えている」と述べた。

 米当局は空爆で死亡したイスラム国幹部3人の名前を挙げている。その中で最も重要な人物は最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)師の副官だったハジ・ムタズ(Haji Mutazz)氏で、アブムスリム・トルクマニ(Abu Muslim al-Turkmani)の別名でより広く知られている。さらに、軍事作戦の統括者とされていたアブド・バシト(Abd al Basit)氏、そしてイラク北部モスル(Mosul)を統括する「中堅」幹部とされるラドウィン・タリブ(Radwin Talib)氏が殺害された。またこの他に複数の「中堅」幹部が排除されたという。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は匿名で取材に応じた当局者らからの情報として、バシトとトルクマニの両氏は12月3~9日の空爆で殺害されたと伝えている。(c)AFP/Dan De Luce