【12月19日 AFP】世界の平均寿命は2013年に71.5歳となり、1990年の65.3歳から延びたことが18日に発表された研究で明らかになった。 世界の平均寿命は1990年から2013年の間に、男性では5.8年、女性では6.6年延びた。

 英医学専門誌ランセット(Lancet)に発表された「世界疾病負担研究(Global Burden of Disease Study)2013」によると、平均寿命が延びた原因は、世界の高所得地域では、がんと心疾患による死亡率の低下で、前者は15%減少、後者は22%減少した。

 低所得地域では、下痢、下気道感染、新生児期の障害を原因とする死亡率の急激な低下が、平均寿命を押し上げた。

 ただし、サハラ以南のアフリカ地域は、寿命の延び傾向の恩恵には浴しておらず、AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)/HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による死亡のために、平均寿命が5年短縮する結果となった。

 とはいえ、研究結果では、一部の慢性疾患による死亡率が高まっており、C型肝炎によって引き起こされる肝臓がん(1990年から125%増)、薬物使用障害(63%増)、慢性腎疾患(37%増)、糖尿病(9%増)、膵臓がん(7%増)などが含まれている。

 研究は、インドでは自殺の増加が公衆衛生問題となっており、世界の自殺による死亡の半分がインドあるいは中国で起きていることに注目している。

 研究によると、5歳未満の死亡は、1990年の760万人から2013年には370万人に激減したが、下気道感染、マラリア、下痢性疾患が、今なお世界の子どもの死亡原因のトップ5に入っており、そのため毎年ほぼ200万人の子どもが死亡している。(c)AFP