■サイバー攻撃の危険性

 ハーバード大学(Harvard University)法科大学院バークマン・インターネット社会研究センター(Berkman Center for Internet and Society)のカミール・M・フランソワ(Camille M. Francois)氏によれば、高度な自動化により、冷戦時代にはほぼ考えられなかったリスクが生じている。それは、サイバー攻撃のリスクだ。

「核兵器はサイバー攻撃に対し、極めて脆弱だ」とフランソワ氏はAFPの取材に語った。さらに、政策立案者らは1983年の映画『ウォー・ゲーム(WarGames)』のような一匹狼のハッカーによる攻撃のみ想定した「1980年代の考え方」に固執し、サイバー攻撃はインターネットを通じてのみ行われると信じ込んでいると、同氏は警鐘を鳴らしている。「もはや若者ではなく、国家がサイバー戦争に非常に多くを投資している。これは新たな戦場、第5の戦争領域だ」

 元米国務省高官で現在は英シンクタンク「国際戦略研究所(International Institute for Strategic StudiesIISS)」に在籍するマーク・フィッツパトリック(Mark Fitzpatrick)氏はAFPの取材に対し、核爆発事故がこれまで一度も起きていないという事実は、「核兵器を扱う人々が、自分たちの任務に真剣に取り組んでいることを示している」と語った。「だが一方で、そのような事故がこれまで起きなかったのは、非常に幸運なことだ。この問題の緊急性は誇張されることもあるが、私はそのリスクや誤りが生む破滅的な結果を軽視したくない」

「核兵器は、これまで開発された兵器の中で最も危険なものだ」と、シュローサー氏はAFPに語った。「わたしたちは、この技術を開発した瞬間から今まで、これを制御できたことは一度もない」(c)AFP/Simon STURDEE