【12月18日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)の女子ボクシングで判定を不服とし、銅メダルの受け取りを拒否したサリタ・デビ(Sarita Devi、インド)が17日、1年間の出場停止処分を言い渡された。

 国際ボクシング協会(International Boxing AssociationAIBA)は17日、デビに対して2015年10月1日までの大会出場停止と、1000スイスフラン(約12万円)の罰金を科したと発表した。

 AIBAによると、デビは「国内、大陸、そして国際レベルにおけるどんな大会にも出場できない」としている。

 韓国の仁川(Incheon)で開催されたアジア大会でデビは、女子ボクシングのライト級準決勝で地元韓国出身のパク・チンア(Park Ji-Na)を相手に試合を優位に進めながらも、結果は判定負けとなり、表彰式で銅メダルの受け取りを拒否した。

 デビは表彰台でメダルの受け取りを拒否すると、銀メダルを獲得したパク・チンアの首に銅メダルをかけた。

 その後、アジアオリンピック評議会(Olympic Council of Asia、OCA)に対して「無条件の謝罪」を行ったデビは、出場停止の期間が1年になったことにより、2016年のリオデジャネイロ五輪に出場できる可能性が残されたので安心したと語っている。

 デビは、「国全体のサポートを受けられてとても嬉しく思います。五輪出場を目指す機会が得られたので、出場できるよう最善を尽くしたいと思います」とコメントした。

 インドのボクシング関係者は、「サリタは永久追放されるのではないかと心配していた。しかし、インドのボクシング界は彼女を助けようと力を尽くした。そして、AIBAにサリタが懲罰を受けていることを認めさせたのだ」と語った。

 9月から10月まで韓国で開催されたアジア大会では、数多くのボクシングの試合で母国選手に有利な判定が出され、抗議の声が上がっていた。

 仁川アジア競技大会組織委員会(Incheon Asian Games Organising Committee、IAGOC)は、デビの行動に不満を表明し、AIBAに対して、「フェアプレーの徹底」を求めていた。

 デビは先日、インドの国内オリンピック委員会(National Olympic Committee、NOC)からアジア大会での銅メダルを受け取っている。(c)AFP