【12月17日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は16日夜、パキスタンで発生し141人が死亡したイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」による学校襲撃事件を非難し、無実の子どもを殺害するのはイスラム教に反すると述べた。

 パキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)で発生した学校襲撃事件。生存者によると、武装集団は8時間にわたる襲撃の中、12歳の子どもまで射殺した。事件に対してTTPは、同地域における軍事作戦への報復だとする犯行声明を出した。

「アフガニスタン・イスラム首長国(タリバンの正式名称)は、あらゆる場面における子どもと無実の人々の殺害を常に非難してきた」と、自らも民間人を標的にすることが多いアフガニスタンのタリバンは声明で述べた。

 さらに「無実の人々や女性、子どもたちを意図して殺害することはイスラムの主義に反する。あらゆるイスラム政府やイスラム運動はこの原理原則に忠実でなければならない」、「アフガニスタン・イスラム首長国は事件へ弔意を表し、死亡した子どもたちの家族に哀悼の意を表す」と述べた。

 アフガニスタンのタリバンは、パキスタンのタリバンと緩やかなつながりを持ったイスラム主義勢力で、ともにオマル師(Mullah Omar)への忠誠を誓っている。

 アフガニスタンのタリバンは、多数の民間人が死亡した襲撃事件に対して距離を置くことが多いが、自らも非戦闘員を標的にした攻撃を行っている。(c)AFP