【12月17日 AFP】パキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)で16日に起き、141人の死者を出したイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」による学校襲撃事件に対し、世界各国の首脳などから非難の声が相次いでいる。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、「生徒や教師を標的としたこの卑劣な攻撃により、テロリストたちは再び自らの邪悪さを示した」と糾弾。米政府は暴力的な過激主義に対し、パキスタン政府と共闘すると約束した。

 2012年にTTPに銃撃され、今年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんは発表した声明で、「無意味で冷血な」殺人行為に「心を痛めている」と述べ、「学校にいる罪のない子どもたちは、このような恐怖に置かれるべきではない」と主張した。

 パキスタンではこれまでにも武装勢力の攻撃によって数千人の死者が出ているが、今回の学校襲撃事件はその中でも過去最悪のテロ事件となった。

 国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、事件は国連安保理(UN Security Council)会合の冒頭、「恐怖の行為であり、勉学に励む無防備な子どもたちを攻撃するというまぎれもなく卑劣な行為だ」と非難。「どんな理由もこの残虐行為を正当化できない」と述べた。

 パキスタンの隣国、中国とインドも事件を非難している。中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道局長は国営新華社(Xinhua)通信が伝えた声明で、「事件に深い衝撃と悲しみを感じており、テロリストたちを最も強い言葉で非難する」と表明。インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相はツイッター(Twitter)への投稿で「卑劣なテロ攻撃」「言葉にできないほど残虐で良識を欠いた行為だ」と非難した。(c)AFP