【12月17日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)は16日、多くのユーザーが利用する「グーグルニュース(Google News)」サービスのスペインでの提供を中止した。コンテンツの使用料支払いを義務付ける新法への抗議を示した動きだ。

 これまでなら無数のコンテンツが集められ掲載されていたスペイン版グーグルニュースのページには、「非常に悲しいことですが、スペインにおける最近の法改定を受け、スペインの配信社をグーグルニュースから除外した上で、スペイン版グーグルニュースを閉鎖しました」というメッセージが掲載されている。

 さらに、「グーグルニュース自体は一切収入を生まないため(同サイトでは広告を掲載していません)、この新規定に従う形でサービスを維持することは不可能でした」と説明している。

 グーグルは今月10日、来年1月1日に施行されるスペインの知的財産法を理由に、スペイン版グーグルニュースの提供を中止する方針を明らかにしていた。この法律は、ニュース配信社に対し、たとえコンテンツの無料提供をいとわないとしても、その対価を受け取ることを義務付けるもの。

 この新規定は、スペインでは「グーグル税」とも呼ばれているが、ヤフー(Yahoo!)などニュースコンテンツを掲載しリンクを提供するサービスを行っている他の検索大手にも適用される。

 グーグルは複数の欧州諸国の配信社から、同社が市場での優位に付け込んでいるという非難を受け、配信社が提供するコンテンツの使用料の支払いを求められていた。しかしグーグルニュースが閉鎖された国はスペインが初めて。

 これについて記者団から意見を求められたホセ・マヌエル・ソリア(Jose Maria Soria)産業相は、妥協策が見つかる可能性はまだあると示唆。「いかなる決定も、絶対に不可逆だと捉えるべきではない。今後数か月の間に、状況が変わるかもしれないと私は考えている」という見方を示した上で、「(コンテンツに対する)税という概念を政府に提示したのは配信社側であり、業界は(グーグルニュースがなくなったことで)実際にどのような影響が出るのか様子を見るべきだ」と話した。

 同産業相によると、グーグルニュースの提供中止により、スペインのニュースサイトへのアクセスが全体で1~3割減少するとの予想も出ている。(c)AFP/Elodie CUZIN