【12月16日 AFP】サンタクロースの仮装に身を包んだ大勢の人々が13日、米ニューヨーク(New York)のタイムズスクエア(Times Square)に集結した。ジングルベルを大合唱し、ビールを飲んでは踊る熱狂的な集団は、クリスマスシーズン恒例のイベント「サンタコン(SantaCon)」の開始を祝う参加者たちだ。

 サンタコンは、サンタ姿で街に繰り出してはしご酒を楽しむニューヨークの冬の風物詩。マンハッタン(Manhattan)では、30軒余りのバーが若い世代を中心とした数千人の参加者らに開放された。

 昨年は、酒に酔った参加者らが路上でけんかや嘔吐、放尿をしたことに批判が殺到した。しかし、ブルックリン(Brooklyn)地区で今年の「サンタコン」を禁止する動きが出ると、公民権問題専門の弁護士ノーマン・シーゲル(Norman Siegel)氏がサンタクロースさながら救済という名のプレゼントをもたらし、法に準拠した集まりになるようイベント内容の見直しを手助けした。

 ニューヨークでは13日、警察官が黒人容疑者を死なせた事件に抗議する大規模デモが予定されていたため、主催者側は警察の負担を軽減するためイベントの開始を前倒しし、開催場所をミッドタウン(Midtown)に限定することに同意した。

「クレイジーな1日になりそうだ」。元道路整備士だという年金生活者の男性は、恰幅(かっぷく)の良い体をはちきれそうなサンタ衣装に包み、こう話した。今年初めて参加したという。「クリスマスシーズンだし、年末だ。誰でもお祝いムードになるよ」

 タイムズスクエアには午前9時のイベント開始に合わせ、サンタのほかトナカイ、小人、雪の妖精などの仮装をし、電飾やモール飾りを身にまとった参加者らが集合した。開始を待ちきれず、紙袋に隠したビールをすする若者たちの姿もちらほら見られた。

 友人と参加した女子学生(21)は、「今年のサンタは良いサンタばかり。皆お行儀よくしている」と語った。