【12月10日 AFP】2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件を首謀したと自白したハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告の弁護士が9日、米上院報告書で米中央情報局(CIA)による拷問の実態が明らかになったことを受け、死刑判決の回避を求めた。

  モハメド被告の弁護士デービッド・ネビン(David Nevin)氏はAFPに対し「拷問された人物を死刑執行することは違法であり、人道的でも公正でもない」と語った。

 同被告に対しては、CIAの秘密収容施設で合計183回にわたって水責めが行われたことが確認されているほか、2003年3月には25時間のうちに5回の水責めが実施されたことが分かっている。

 ネビン氏は、合衆国憲法は修正第8条で残酷で異常な刑罰の禁止を定めており、「模擬処刑を183回も受けた同被告を実際に死刑執行するのは残酷で、異常な処罰だ」と指摘。「詳細が明らかにされた拷問の残忍性は衝撃的」であるうえ「(捜査当局に)有用な情報を全くもたらさなかった」と述べた。

 米上院情報特別委員会(Senate Intelligence Committee)が9日に公表した報告書は、CIAがジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前政権下で国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーとされる容疑者に対し、1週間にわたる睡眠妨害や暴行、手足の拘束、水責めなどといった残酷な手法を用いた取り調べを行っていたことを明らかにした。(c)AFP