【12月5日 AFP】米軍内部で性的暴行を受け、それを当局に報告した被害者たちが、同僚らから疎外されたり、上官によって昇進を阻まれたりする例が相次いでいることが、米国防総省が4日に発表した新たな調査結果で明らかになった。

 無記名で行われた調査によると今年、米軍当局へ性的暴行の被害を報告した軍関係者は、前年の約5500人から8%増の6000人近くとなっている。被害者のうち60%以上(女性の被害者では62%)が性的被害を報告したことに対し、同僚や上官から報復を受けたと訴えている。2年前に行われた同様の調査でも、報復を受けた被害者の割合は同じく60%以上だった。また性的暴行の被害を報告した半数以上は男性となっている。

 調査結果によると、性的被害を報告した被害者に対する「社会的報復」の中には、同僚から無視される、部隊の中で悪い変化があった場合にその責任があるように感じさせられるといったことの他に、階級別の特権をはく奪される、昇進を阻まれたり訓練を拒まれたりする、満足度の低い業務に異動させられるといった「職業的報復」も含まれていた。

 一方、今回の調査により、性的暴行は全体的に減少傾向にあることが分かった。国防総省高官によれば、自らが望んでいない性的接触に遭遇したという回答者は、前回2年前の調査時には2万6000人だったが、今回は1万9000人に減った。(c)AFP/Dan De Luce