【12月4日 MODE PRESS】1952年に「ジバンシィ(Givenchy)」を創業したフランス人デザイナー、ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)は、今日のオートクチュールについて、デザイナーらがコレクションの発表を急ぎすぎていると批判した。

 故オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)の公私にわたる衣装デザインを手がけていたジバンシィは、「ファッションに革命は必要ありません、ゆっくり進化していくべきものです。そういうふうにしか、長く愛用されるドレスは生まれないのです」と語った。

 また、自らがデザイナーとして現役だった頃に手掛けた作品を見ながら、「鼻に掛けるつもりはありませんが、ファッションから掛け離れていないといえるのはこういう服だと考えます」と述べた。

 さらに、1940年代のファッションスターで、ココ・シャネル(Coco Chanel)のライバルとしても知られるエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)と現代のデザイナー陣を比較。「スキャパレリにはセンスがあり、品がありました。たとえ靴を帽子としてかぶったり、ロブスターをあしらったドレスをデザインしてもそれらはシックでしたし、ちゃんと着ることができました。現在ではありえないでしょう」

 一方ジバンシィは、プレタポルテを一般消費者の手に届くものにしたことでも高い評価を受けており、デザイナークローズを誰でも買えるようにするという自らの決断を覆すつもりはないと断言している。「もし私が何もかもまた一から始めないといけないとしても、全く同じことをするでしょう。顧客が自分の好きなようにアイテムをコーディネートできる日常着こそがファッションの目指すべき未来です」

 またジバンシィは自身の成功の立役者として、1972年に逝去したクリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)を挙げた。「バレンシアガは私を支え、助けてくれました。他の人に対しても同じで、常にアドバイスと支援ができる態勢が整っていました。本当に素晴らしい人でした」(c)Bang Showbiz/MODE PRESS