【12月5日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の控訴裁判所は4日、チンパンジーは人間と同じ権利を認められる存在ではないとの判決を下し、チンパンジーを監禁状態から解放するよう求めていた動物愛護団体の申し立てを退けた。

 営利団体(NPO)「非人間の権利プロジェクト(Nonhuman Rights ProjectNRP)」は、おりに入れられ監禁状態にあるチンパンジー4匹が余生を自由に暮らせるよう、保護区に解放することを求めて同州裁判所に申し立てていた。

 NRPは10月に行われた地裁での弁論で、チンパンジーは人間と非常に良く似た特徴を持つため、「法的な個人」として認め、束縛から解放される権利が与えられるべきだと主張していた。

 だが、判事団は同州州都オールバニ(Albany)で行われた4日の裁判で、判例法での「個人」の定義を拡張する申し立てを却下。「チンパンジーは、人身保護令状によって提供される権利と保護を有すると認められる『個人』ではない」との判断を下した。

 判決書には、「チンパンジーは人間と異なり、法律上の義務を負ったり、社会的責任を享受したり、自らの行動に法的責任を負ったりすることはできない。人間に与えられてきた法律上の権利をチンパンジーに授与するのを不適切とするのは、こうした法的責任と社会的義務を負う能力を持たないことによる」と書かれていた。

 これまでのところ、この判断に対するNRPのコメントは得られてない。(c)AFP