【12月5日 AFP】国際自動車連盟(FIA)が発表したフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)2015年シーズンの日程に韓国グランプリ(Korean Grand Prix)が含まれていたことについて大会主催者側は4日、F1からは完全に撤退し、開催復活についても困難であるとする姿勢を示した。

 主催者はAFPに対して、FIAが「最終確認待ち」というただし書きつきで3日に発表した全21レースの中に、韓国GPの開催が含まれていたことについて「一方的」なものだったと主張した。

 主催関係者は匿名を条件に、「事前の通知はなかった。われわれは、既に来季のレース開催は難しいという立場を伝えていたが、FIAは開催予定を発表した」と明かした。

 FIAは声明の中で、韓国GPの開催予定地は既存のサーキットを使用できる霊岩(Yeongam)か、首都ソウル(Seoul)の市街地コースになるとしており、暫定スケジュールでは第5戦として5月3日に決勝レースが行われるとしている。

 2010年に霊岩で初開催された韓国GPは、5年間のオプション契約つきで2016年まで続く予定だった。

 ところが、1年目から大赤字となっていた同GPは、2013年シーズンまでの4年間で1900億ウォン(約204億円)に上る損失を出し、2014年シーズンのカレンダーからは姿を消していた。

 主催者側はまた、最初に結んだ契約についてほとんど「破綻」していると述べ、霊岩が位置する全羅南道(South Jeolla Province)の自治体からも、これ以上の財政支援は望めないとしている。

「現地では、レースの開催経費について消極的な意見が多く、われわれはそのことも考慮しなければならない」

 しかし、GP開催に向けては、主に地元の納税者によってまかなわれた主要財源があるとしている。

 同関係者は、「財政負担の軽減を目標に、契約を見直す交渉は行われているが、これまで状況は思わしくない」と語った。(c)AFP