【12月3日 AFP】ロック全盛期の代表的なサックス奏者で、英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」に音楽面でも人格面でも大きな影響を与えたボビー・キーズ(Bobby Keys)氏が2日、死去した。70歳だった。

 米テキサス(Texas)州生まれ。ジャズをこよなく愛し、パーティー好きでも知られていた。10代のころにロックンロール歌手の故バディ・ホリー(Buddy Holly)と出会い、徐々にロックバンドの主力となるサックス奏者の地位を確立していった。

 ストーンズと最初に出会ったのは1964年。ストーンズの代表曲の一つ、「ブラウン・シュガー(Brown Sugar)」ではテナーサックスでブルースのサウンドを添えた。ストーンズがバンドとして活動した約50年間の大部分でツアーにも参加した。

 声明で同氏の死去を発表したストーンズは、「非常に大切な友人であり、伝説的なサックス奏者であるボビー・キーズの訃報を受け、悲しみに暮れています。ボビーは1960年代から彼にしかできない音楽的貢献をしてくれました。寂しくてなりません」と哀悼の意を表した。

 キーズ氏と特に仲が良かったのは、生年月日が全く同じ1943年12月18日のギタリスト、キース・リチャーズ(Keith Richards)氏だった。「世界で一番の大親友を亡くしました。私の悲しみは言葉にしようがないほどですが、ボビーなら元気を出せと言ってくれるでしょう。彼や彼の音楽愛を知るあらゆる人にお悔やみを申し上げたいと思います」と、手書きのメッセージをツイッター(Twitter)に投稿した。

 キーズ氏はストーンズの他にも、英ロック界の大御所「ザ・ビートルズ(The Beatles)」とも共演している。故ジョン・レノン(John Lennon)氏とは音楽だけでなく、レノン氏がオノ・ヨーコ(Yoko Ono)さんと別居していたいわゆる「失われた週末」には、一緒に薬物を使用していた。

 この他の共演者には、エリック・クラプトン(Eric Clapton)氏やジョー・コッカー(Joe Cocker)氏、カーリー・サイモン(Carly Simon)氏らがいる。また故マービン・ゲイ(Marvin Gaye)氏の「レッツ・ゲット・イット・オン(Let's Get It On)」のサックスを担当したのもキーズ氏だった。(c)AFP