【12月2日 AFP】米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Centre)」は1日、第2次世界大戦(World War II)中のナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)に関与した戦犯リストの筆頭に名前が挙がっていた元ナチス・ドイツ(Nazi)の親衛隊(SS)幹部アロイス・ブルンナー(Alois Brunner)について、逃亡先のシリアで4年前に死亡したことがほぼ確実視されるとの見解を発表した。

 ブルンナーは、ホロコースト計画の中心人物アドルフ・アイヒマン(Adolf Eichmann)の右腕として多数のユダヤ人を強制収容所に送った人物とされるが、数十年前に逃亡した先のシリアのダマスカス(Damascus)で4年前に死亡したとの情報が、ドイツの情報当局から寄せられたという。

 同センター、エルサレム(Jerusalem)事務所のエフライム・ズロフ(Efraim Zuroff)所長は、情報の真否は確認できていないが、1912年生まれのブルンナーが生存している可能性はほぼないとして、今年の戦犯リストから名前を削除したとAFPに語った。(c)AFP