【11月29日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)は28日、公式声明を発表し、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長が2014年の世界最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」はW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で優勝したドイツ代表から選出すべきと発言したことに「驚いている」と不満を示した。

 2013年のバロンドールに選出されたロナウドは、今年も得点を量産し、レアルを国王杯(Copa del Rey 2013-14)と欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2013-14)の2冠に導く活躍をみせており、2年連続で同賞に輝くと予想されている。

 しかしながら、ポルトガル代表として出場したW杯ブラジル大会ではグループリーグ敗退に終わり、29歳のロナウドにとっては残念な結果となった。

 レアルは発表した声明の中で、「誰がバロンドールを受賞すべきかについて、プラティニ会長が個人的見解を何度も述べていることについて驚いている。彼がUEFAの会長という立場であればなおさらであり、そのような立場にある人物は公平であるべきだとわれわれは理解している」とコメントしている。

「そして、バロンドールは1年間を通して最も素晴らしい活躍をみせた選手に与えられる個人タイトルであって、団体が獲得するタイトルではない。そして、このタイトルの名誉を維持するためにも、投票する人たちは選手個人のプロフェッショナルとしての成績を評価すべきだとわれわれは考えている」

「最後に、キャリア最高の1年を過ごしたクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がこの賞にふさわしいとわれわれは考えている。ロナウドはチャンピオンズリーグとゴールデンブーツのタイトルに輝き、チャンピオンズリーグの1大会最多得点記録を樹立し、リーガ得点王だけでなく国王杯優勝も果たしている」

 マドリード(Madrid)に拠点を置くスペインのスポーツ紙「アス(AS)」は26日、プラティニ会長がバロンドールはドイツ代表の選手が受賞しなければならないと発言したと伝えている。

 プラティニ会長は、「私は4年前から主張していた。スペインがW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)を制したのだから、バロンドールはスペイン代表の選手が受賞すべきだった。だから今年はドイツ代表の選手だ」と語っている。

 今年のバロンドール受賞候補には、ロナウドや2013年まで4年連続で同賞を受賞していたリオネル・メッシ(Lionel Messi)が順当に名を連ね、W杯で優勝したドイツ代表からは6人がノミネートされている。

 ドイツ代表からはアルゼンチンとの決勝で決勝点を挙げたマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)をはじめ、フィリップ・ラーム(Philipp Lahm)、トーマス・ミュラー(Thomas Muller)、マヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)、バスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)、そしてレアル・マドリードに所属するトニ・クロース(Toni Kroos)が候補入りした。

 世界中の記者だけでなく、各国の代表監督や代表チームの主将の投票によって選出されるバロンドールは、国際サッカー連盟(FIFA)の管轄下にあるため、UEFAが選考に直接影響を及ぼすことはできない。(c)AFP