【11月29日 AFP】14-15フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯(NHK Trophy 2014)は28日、大阪で男子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、ソチ冬季五輪と世界選手権を制した羽生結弦(Yuzuru Hanyu)がけがからの復帰を果たしたものの、ジャンプで失敗が続き、78.01点の5位発進となった。

 19歳の羽生は、今月初めに中国・上海(Shanghai)で行われた中国杯(ISU Grand Prix of Figure Skating Cup of China 2014)での練習中に他の選手と衝突して負傷、今大会では無事に滑りきることを目標としていた。

 SPを終え、首位に立ったのは86.28点をマークした無良崇人(Takahito Mura)。米国のジェレミー・アボット(Jeremy Abbott)が81.51点で2位につけ、村上大介(Daisuke Murakami)が79.68点で3位だった。

「重傷を負って、実際に中国から車いすで帰国した」と報道陣に話した羽生は、「ここにいられることだけで驚き」とリンクに戻ったことの喜びを表現した。

 脳振とうの影響が心配される中、中国杯で羽生が競技に臨んだことについて、出場を認めた日本スケート連盟(Japan Skating Federation)に対しては、批判の声が上がっていた。

 NHK杯の開幕前、無事に生還できたことが奇跡のようだと話していた羽生は、この日行われたSPの冒頭の4回転トーループで転倒。会場からため息が漏れると、続く3回転ルッツでもミスが出てしまった。

「感覚は良かった」と話した羽生は、「ほとんど回復してきている」としながらも「悔しい」と語り、ミスが目立ったジャンプについては「跳べるものは跳べている。明日に向けて回転をどうすれば速くなるか考えたい」と意気込みを述べた。