【11月28日 AFP】メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は27日、全国各地の腐敗した地方警察組織の解体を目指す抜本的な改革案を発表した。同国では今年9月に学生43人が殺害されたとみられる事件が発生して以来、暴力組織との結びつきが指摘される当局のあり方に抗議が強まっている。

 ペニャニエト大統領による発表の数時間前にも、43人の学生が襲われたのと同じ南部ゲレロ(Guerrero)州で斬首された11人の遺体が見つかった。同大統領は「もうたくさんだ」と述べ、警察の腐敗を浮き彫りにした事件を受けて抗議行動を繰り返している国民の怒りに同調した。

 大統領の国務室がある国立宮殿(National Palace)で議員や知事、市民社会団体を前に演説した同大統領は、「メキシコは変わらなければならない」と述べ、麻薬組織が浸透した地方自治体の権限を連邦当局が引き継げるようにする憲法改正案を来月1日にも議会に提出する方針を示した。

 この改憲案には、「犯罪者らによって容易に腐敗する」1800の地方警察組織の解体も含まれている。連邦区(首都)と全国31州の警察業務を連邦警察が引き継げるようにし、まず暴力行為が最も目立つタマウリパス(Tamaulipas)州、ハリスコ(Jalisco)州、ミチョアカン(Michoacan)州、ゲレロ州の4州で解体に取り掛かるとしている。(c)AFP/Laurent THOMET