【11月28日 AFP】ハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)やズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)、ロビン・ファン・ペルシー(Robin Van Persie)といったスーパースターが名を連ねる2014年の年間最優秀ゴール「FIFAプスカシュ賞(FIFA's Ferenc Puskas Award)」の候補リストの中に、アイルランド女子代表のステファニー・ロシュ(Stephanie Roche)のゴールがノミネートされている。

 その日、ピーマウント・ユナイテッド(Peamount United)の小さなスタジアムで彼女のスーパーゴールを目撃した人の中に、年間最優秀ゴールにノミネートされることを予想した人がどれだけいただろうか。――そして、アイルランド女子代表で攻撃の中心を担うロシュ自身も、自分のゴールが大きな話題になっていることがいまだに信じられずにいる。

 フランス女子リーグのASPTTアルビ(ASPTT Albi)で、月給800ユーロ(約11万7000円)のプロ選手としてプレーする25歳のロシュは現在、授賞式で年俸8000万ユーロ(約117億円)のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)と会えることを夢見ている。

 今季からアルビに加入したロシュは26日、AFPの取材に応じ、「とんでもないことになってますよね」と話した。

 ゴールの動画は、すでにインターネットで数え切れないほど再生されている。その点は、彼女が世界の名だたるスター選手を退け、来年1月12日の授賞式で名前を呼ばれるための武器になるかもしれない。

 プスカシュ賞は、これまでにロナウドやブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)、また昨年はパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のイブラヒモビッチが獲得している権威ある賞だ。

 ロシュのおとぎ話は2013年10月20日、ロドリゲスらがゴールを決めたW杯ブラジル大会(2014 World Cup)とは対照的な、牧歌的なダブリン(Dublin)郊外のスタジアムで始まった。

 対戦カードはピーマウント・ユナイテッド対ウェックスフォード・ユース(Wexford Youths Women's AFC)で、ゴールを目撃したのは、両チームの監督や交代選手など、関係者がほとんどだった。

 右サイドから放り込まれたボールを受けたロシュは、右足、続けて左足でリフティングをすると、約25メートルの距離から振り向きざまにボールを力強く蹴り込んだ。

「あっという間のことで、直感で打った感じですね」と話すロシュは、現在テレビ局からゴールを再現してほしいと何度もリクエストを受けている。

 ロシュは「あれはシーズン初得点で、とにかくゴールできてうれしかったことを覚えています」と話した。ところが、ウェックスフォード・ユースの監督が試合後にやって来て、パソコンで映像を見せてくれたときに、「ものすごく特別なゴールだと思った」のだという。