【11月27日 AFP】英ロンドン(London)の米国大使館前で26日、米ミズーリ(Missouri)州で黒人青年を射殺した白人警察官が不起訴処分となったことをきっかけに全米に広がっているデモに共感する抗議活動が行われ、約5000人が参加した。

 ミズーリ州ファーガソン(Ferguson)で今年8月、武器を所持していなかった黒人の青年、マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)を射殺した白人警官を不起訴とした大陪審の決定は、全米各地で人々の怒りを呼び、人種問題を背景とした暴動も引き起こした。

 ロンドンの米大使館前で行われたデモには、英国の警官によって殺害された黒人たちの遺族も参加。2011年に警官によって射殺され、暴動のきっかけとなったマーク・デュガン(Mark Duggan)さん(当時29)のおばのキャロル・デュガン(Carol Duggan)さんは、集まった人たちを前に「ブラウンさんの家族にメッセージを送らなければならない」「私たちは警察の手によって誰かを失った痛みを知っている。その痛みを感じている」と訴えた。

■フランスの黒人法相も「参戦」

 一方のフランスでは、黒人のクリスティアーヌ・トビラ(Christiane Taubira)法相が米国での人種問題に対する怒りを、マイクロブログのツイッター(Twitter)上で表明し、物議をかもしている。

 トビラ法相は、伝説的なレゲエ歌手、故ボブ・マーリー(Bob Marley)の1973年のヒット曲「アイ・ショット・ザ・シェリフ(I Shot the Sheriff)」の歌詞にある「育つ前に殺せ」との言葉を引き合いに出し、「マイケル・ブラウンさんは何歳だった?18歳。トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さんは?17歳。タミル・ライス(Tamir Rice)さんは?12歳。次は何歳?1歳?『育つ前に殺せ』ボブ・マーリー」と英語で書き込んだ。

 このツイートについてステファーヌ・ルフォル(Stephane Le Foll)仏政府報道官は26日、「米国で起きていることへの言及は控えるべきだ。米国には米国の現行規則と手続きがある」とたしなめた。

 仏領ギアナにルーツを持つトビラ法相は過去に繰り返し人種差別の標的とされてきた。(c)AFP