【11月27日 AFP】英南部ビリングスハースト(Billingshurst)で26日に行われた競売で、氷河期のケナガマンモスの骨格標本が18万9000ポンド(約3500万円)で落札された。同日の競売ではその他、希少種や絶滅種の動物の標本が多数競売にかけられた。

 全長5.5メートル、150あまりの骨で構成されるこの骨格標本は、過去数十年間は分解された状態だったが、今回の競売に向けて再び組み立てられた。弓なりになった牙を持つこの骨格は、現在は絶滅種となったマンモスの雄のものと考えられており、約3万~5万年前に生きていた当時の体重は最大6トンだったと推定されている。

 英競売会社サマーズ・プレイス・オークションズ(Summers Place Auctions)が、「モンティ」の愛称で呼ぶこの標本は、英国を拠点とする個人収集家によって電話入札で落札された。

 同社の広報担当によると、長い毛に覆われたこのケナガマンモスは、ユーラシア(Eurasia)大陸北部から北米大陸にかけて広がっていた大草原地帯を歩き回っていたと考えられるという。この種のマンモスは約1万年前に絶滅した。

「このマンモスの主食はイネ科やスゲ科の植物だった。このことは、マンモスの歯が臼歯4つと見事な弓なりの長い牙2本しかないことの理由を説明している」と同広報担当は説明した。

「ケナガマンモスは、初期人類と共存していた。初期人類は、マンモスを狩って食料にしたり、骨や牙で装飾品を作ったりした。完全な骨格がめったに残っていないのにはそうした理由もある」

 同競売会ではこの他、約1000年前のニュージーランドに多数生息していた、エミューに似た鳥モアの骨格標本や、マダガスカルに生息し、約500年前に絶滅した巨鳥エピオルニス(英語名エレファント・バード:Elephant Bird)の直径30センチを超える卵などが出品された。(c)AFP