【11月26日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で今年8月に武器を持たない黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さんを射殺した白人警官が不起訴となったことを受け、各界の著名人らが25日、苛立ちのコメントを寄せるとともに人々に自制を求めた。

 マイクロブログのツイッター(Twitter)などにコメントを書き込んだのは、元NBA選手のマジック・ジョンソン(Magic Johnson)さんや同現役のレブロン・ジェームズ(LeBron James)さん、そしてコメディアンで俳優のクリス・ロック(Chris Rock)さんなど、各界を代表する著名人たちだ。

 NBAのスター選手コービー・ブライアント(Kobe Bryant)さんは、「法という仮面の影で若い黒人男性を殺すことができる体制」と書き、また映画監督のスパイク・リー(Spike Lee)さんは、「われわれはマイク・ブラウンだ」とキャプションを付けたブラウンさんの写真を載せた。

 ジョンソンさんは「決定にとても失望した」「有色人種の若者の不必要な死を止めさせるため、力を合わせなければならない」とコメント。

 そして、グラミー賞受賞の白人ラッパーのマックルモア(Macklemore)さんは、「白人至上主義がしみ込み、それを保護する体制がまたもや勝った。人道(主義)は負けた。正義はない。マイク・ブラウンと彼の家族のために祈る。とても悲しい」

 オーストラリアでツアー中の歌手ケイティ・ペリー(Katy Perry)さんは、「遠く離れたここシドニー(Sydney)で今ニュースを見た。(どうしようもできなくて)無力感を感じている…ファーガソンに、そしてアメリカが平等になるよう祈ります」と書いた。

 米歌手のシェール(Cher)さんは「セントルイス(St Louis)近くで若い男性を撃った警官を裁判にかけないとの決定には問題がある」と述べたが、「それでも、暴力は決して解決にはならない。州法を変えるために私は一票を投じている。警察と議員らは態度を変え、そのバランスも変えなければならない」と加えた。

 歌手のファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)さんは「不起訴の知らせに悲嘆に暮れている。皆で平和を祈ろう」とコメント。

 黒人コメディアンのクリス・ロックさんは、米公民権運動指導者ウィリアム・エドワード・バーグハード・デュボイス(W.E.B. Du Bois)の言葉「A system cannot fail those it was never meant to protect(体制が保護する対象でない者を、体制が保護し損ねることはない)」を引用した。

 女優のレナ・ダナム(Lena Dunham)さんはブラウンさんの遺族にお悔やみの言葉を述べ、「彼らの強さと勇気を賞賛し、冥福を祈り、正義と変化が起きるよう祈ります」と書いた。

 ジェームズさんは、2012年2月に同じく武器を持たず射殺された黒人の少年トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さんとブラウンさんが腕を組んで歩くイラストを載せた。「社会をより良くし、これ以上こんなことが起きないようにするためにはどうすれば良いのか。とても残念だ」

 テニス選手のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams)さんは「ひどい。まったくひどい。これ以上何をしろと言うの」とだけつづった。(c)AFP