【11月26日 AFP】世界のいかなるコンサートチケットのなかでも、ボブ・ディラン(Bob Dylan)による観客一人のためのライブチケットは、究極の一枚と言えるだろう──。

 ディランとバンドのメンバーは24日、米フィラデルフィア(Philadelphiav)にある歌劇場「アカデミー・オブ・ミュージック(Academy of Music)」で、スウェーデンのTVパーソナリティ、フレドリク・ウィキングソン(Fredrik Wikingsson)さんのためだけにライブを行った。

 このライブは、スウェーデンのウェブ企画「Experiment Ensam(Experiment Alone)」の一環として行われた。本来なら大勢が見ていたり、参加していたりするはずのイベントで、たった一人だと人はどのような体験をするのかを検証する企画だ。このライブの模様は15分間のドキュメンタリー番組として、12月にユーチューブ(YouTube)で公開される予定。

 ディランの大ファンで、今回のライブを以前から熱望していたウィキングソンさんは、米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)とのインタビューで、ライブ前は緊張して食事も喉に通らなかったと語っている。「薬物の影響下にあるみたいにずっと笑顔でうっとりしていた。ライブ後も同じ。数時間は顎が痛かった」

 73歳となった今でも、積極的にツアーを続ける意気込みのディラン。ライブでは、バディ・ホリー(Buddy Holly)やファッツ・ドミノ(Fats Domino)などロックのパイオニアたちの楽曲をカバーした。(c)AFP