【11月26日 AFP】ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)の市場で25日、女2人が自爆攻撃を行い、45人以上が死亡した。今回もイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の関与が疑われている。

 自爆攻撃があったのは、混雑したマンデーマーケット(Monday Market)地区。ここでは今年7月1日にも、やはりボコ・ハラムの犯行とみられる爆弾攻撃で少なくとも15人が犠牲になった。

 匿名を条件にAFPの取材に応じたある治安当局幹部は、「女2人による自爆攻撃だった」と断定。にぎやかな市場で、たくさんの荷物を積んだ原付リヤカーに近付いた1人目の女の携帯電話が鳴り、応答したかと思うと電話を落とし、同時に自爆したという。その約10分後、救急隊員や地元住民らが集まっていたところに19歳前後とみられる女がヒジャブ(頭と首を覆うゆったりした衣服)の下に赤ん坊をおぶったような格好で現れて自爆した。女が背負っていたのは幼児ではなく爆弾だった。

 ある医療関係者は、死者は45人を超え、遺体の中には頭が完全に吹き飛んだものも数体あったとしており、これは別の目撃者の証言とも一致している。

■後を絶たない爆弾攻撃

 ナイジェリア北部ではここ数か月、女の実行犯による自爆攻撃が相次いでいる。同国第2の都市カノ(Kano)では7月、同様の攻撃が1週間に4回発生した。

 識者らによると、ボコ・ハラムは強硬派のイスラム国家を樹立するための戦略の一環として、女性志願者を起用しているか、あるいは若い女性や少女らに自爆を強要しているとみられるという。

 ボコ・ハラムの「リクルーター」とされる女3人が今年7月に逮捕され、翌8月にはカノで女性自爆者の指導教官とみられる人物が16人ほどの「訓練生」と共に身柄を拘束された。

 ボコ・ハラムは10年以上前にマイドゥグリで結成され、当初は主に同州内で戦闘を繰り広げていたが、後に北東部の辺境へと追いやられた。マイドゥグリでは単発の自爆攻撃から軍の兵舎を狙った大規模な攻撃まで、過去5年間に数十回の攻撃を行っている。(c)AFP/Bukar HUSSAIN