【11月25日 AFP】エボラ出血熱が流行している西アフリカのギニアで先週、エボラ患者の血液サンプルを運んで試験センターへ向かっていたタクシーが強盗団に襲われ、サンプルの入った冷却器が盗まれる事件があった。ギニア当局は24日、この冷却器が見つかる可能性は極めて低いと発表した。

 血液サンプルはギニア西部カンカン(Kankan)州で採取されたもので、約265キロ離れた南部ゲケドゥ(Gueckedou)州にある試験センターへタクシーで向かっていたところ、キシドゥグ(Kissidougou)近郊で強盗に遭ったという。

 ギニア政府のエボラ出血熱対策班は「冷却器は見つからないだろう。メディアで報じられたことで、強盗団は冷却器を破棄してしまうだろう」と述べている。エボラウイルスは液体の中で直射日光に当てなければ数週間生き続けることが研究では明らかになっているが、今回盗まれた血液サンプルのウイルスは、もう死んでしまっていると当局はみている。

 今回の事件は感染力が強く、約70%と致死率も高いエボラウイルスのサンプルを運搬する際の安全性に警鐘を鳴らした。(c)AFP