【11月25日AFP】中国・チベット自治区最大の水力発電所が23日、稼働を開始した。国営メディアが伝えた。ヒマラヤ山脈から流れる川でのダム建造プロジェクトをめぐっては、隣国インドが懸念を示している。

 中国国営・新華社(Xinhua)通信によると、標高3300メートル以上の地点に建造された蔵木水力発電所(Zangmu Hydropower Station)は23日に稼働を開始した。同プロジェクトには、総工費96億元(1840億円)が投じられた。

 ヒマラヤ山脈を流れる雅魯蔵布江(Yarlung Zangbo river)──インド名はブラマプトラ川(Brahmaputra)──に建造中のダムは高さ116メートルで、2015年にすべて完成する予定だという。総発電量は51万キロワット。ダムは同地域最大となる。

 発電所を運営する電力会社「Tibet Electric Power Co.」は、「この水力発電所は、チベットの電力不足、とくに冬季の問題を解決するだろう」と新華社通信に語っている。

 同発電所の建設をめぐっては、以前からインドが懸念を表明していた。ヒマラヤを源流とする最大規模のブラマプトラ川は、同国北東部の農業地帯にとってライフラインとなっているためだ。

 インド外務省は2013年、中国によるさらなるダム建設計画の報道を受け、「下流地域が上流地域のどのような活動によっても害されることがあってはならない」と中国をけん制するコメントを発表している。(c)AFP