【12月15日 AFP】3週間にわたりインターネット上で行われた投票の結果、2016年リオデジャネイロ五輪の公式マスコットの名前が「ヴィニシウス(Vinicius)」に決定した。パラリンピックのマスコットは「トム(Tom)」と名付けられている。

 大会の主催者は14日、32万3327票の投票で決まったマスコットの名前が、ブラジル音楽の巨匠ヴィニシウス・ヂ・モライス(Vinicius de Moraes)とアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン、Antonio Carlos Jobim)の功績を称えたものであると発表した。

 五輪のマスコットであるヴィニシウスは、黄色いネコ科の動物で、ブラジルの豊かな動物相と野生生物を表現している。

 この動物はネコのような見た目でありながら、サルのような跳躍力を持ち、ブラジルの代表色である黄色をメーンに、青や緑があしらわれている。

 パラリンピックのマスコットであるトムは、青と緑を基調とし、頭は葉で覆われている。南米初開催の五輪ということをふまえ、豊かな植物相を表している。

 大会のマーケティング担当者は、24社から募集したアイデアを9か月かけて選りすぐったものの、6歳から12歳の子どもたちによるフォーカスグループで第1候補が退けられたことを明かしており、最後はサンパウロ(Sao Paulo)を拠点とするアニメーション会社「Birdo Producoes」が提案したマスコットに決定したという。

「子どもたちの方が正しい判断をしてくれる」とした担当者は、「ブラジルの多様性と、人々のエネルギーを表している」とすると、「人々と感情面で結びつく。子どもをはじめとする、一般市民との重要な懸け橋になってくれる」と自信をみせた。

「マスコットは、自分たちの文化を表現し、地元の人々にとって重要な意味を持ちながら、世界的に理解されなければならない。このマスコットは、とてもブラジルらしいものになっていると思います」

 ブラジルの特色を生かしたマスコットだが、関連商品は中国で製造されるという。2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪と、いずれも中国の華江文化(Honav)社が、グッズの製造を一手に担ってきた。

 2009年に開催が決定したリオ五輪に対する人々の喜びから「生まれた」というマスコットは、総運営費30億ドル(約3500億円)ともいわれるこの大会で、数百万ドルのビジネスになることが見込まれる。(c)AFP