【11月24日 AFP】中国が領有権を争う南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)の岩礁に滑走路などを備えた人工島を建設しているとみられる問題で、中国人民解放軍の羅援(Luo Yuan)少将は24日、「正当な行為だ」と述べ、米国の批判に真っ向反論した。国営英字紙・環球時報(Global Times)が伝えた。

 この人工島については英国の国際軍事専門誌「IHSジェーンズ・ディフェンス(IHS Jane's Defence)が先週、南沙諸島にある永暑礁(Yongshu、英語名:ファイアリークロス礁、Fiery Cross Reef)で中国が行っている大規模な埋め立てに関する記事を掲載。長さ3キロ、幅200~300メートルの人工島に、滑走路や水上艦隊が停泊できる広さの港湾施設を建設していると報告している。

 米国はこれを受け、中国に埋め立て事業の中止を求めるとともに、関係各国に同様の手段に訴えないよう自制を促していた。

 しかし、環球時報によると羅援少将は、中国が永暑礁で建設事業を行っていることを認めた上で、米国は口出しするべきではないと一蹴。「米国は明らかに偏った見方をしている。フィリピン、マレーシア、ベトナムは既に(岩礁に)軍事施設を建設済みだ」「中国は国際社会の圧力に耐え、建設を続行するだろう。なぜなら、建設事業は完全に合法であり、正当なものだからだ」と述べた。

 一方の環球時報は24日の社説で、永暑礁での建設事業は「駐留する中国軍兵士の生活環境を向上させるのが主な目的」だと主張。米国は南シナ海における領有権争いの「当事者ではない」にもかかわらず「独善的」に振る舞っていると批判した。(c)AFP