【11月24日 AFP】国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2014)初優勝を果たしたスイスの立役者と称賛されたロジャー・フェデラー(Roger Federer)だが、すぐさまチームメートのスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)に賛辞を贈った。

 デビス杯決勝の最終日、スイスチームはフェデラーの勝利で優勝を決め、ワウリンカがラケットを握ることはなかった。

 それでもフェデラーは、「スタンのおかげで日曜日(23日)を有利な状態で迎えられた」と話し、これを受けたワウリンカが首を横に振ると、「君のおかげだよ!」と念押しした。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)覇者のワウリンカは、何年もの間、史上最高のプレーヤーと称されるフェデラーを陰で支え、仏リール(Lille)で行われたデビス杯の大一番でも、大きな役割を果たした。

 初日のシングルスでジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)を破ったワウリンカは、翌日のダブルスでもフェデラーと共に白星を挙げ、スイスは2-1で最終日を迎えた。

 23日のシングルス初戦に出場したフェデラーは、ストレートでフランスのリシャール・ガスケ(Richard Gasquet)を下し、スイスは念願の大会初優勝を果たした。

 スイスチームにとって、デビス杯決勝までの道のりは波乱続きだった。ワウリンカとフェデラーは、ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2014)の準決勝で対戦することになり、多少のいざこざがあった上に、フェデラーは腰の痛みを再発した。

 一方のフランス勢は、ボルドー(Bordeaux)のクレーコートで、2週間という十分な練習期間を与えられた。

 フランスの10回目の優勝は確実かと思われたが、フェデラーが万全の状態ではないことで、ワウリンカが積極的にチームをけん引し、フランス勢を黙らせた。

 ワウリンカは、「彼らは(デビス杯について)話しすぎていた。あくまで僕の意見だけどね。彼らには彼らのやり方がある」とすると、「僕はコートでラケットと会話した。それが結果に表れたのだと思う。僕らの方が良いプレーをしていた」と振り返った。

「状況がすぐに変わってしまうことも分かった。今週の初めには、僕とロジャー、ロジャーの腰のことが書き立てられていた」

「そして、フランスチームは戦争の準備はできているとコメントしていた」

「実際に起こったことは正反対だった。僕らは落ち着いて準備に臨み、コートでベストを尽くした。誇りに思えることだね」

(c)AFP/Allan KELLY