【11月24日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)北東部ディヤラ(Diyala)州のイラン国境近くで23日、イラク治安部隊と親政府派武装勢力が、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」から2地区を奪還した。作戦ではクルド人部隊の20人が死亡した。治安当局者が明らかにした。

 作戦は23日早朝に開始された。今年6月にイスラム国の全面攻勢で失った領土奪還作戦における最新の戦闘だ。

 イラク軍の参謀はAFPの取材に「軍と警察、(民兵)部隊がジャラウラ(Jalawla)地区とサーディヤ(Saadiyah)地区の南と西から攻撃し、ペシュメルガ(Peshmerga、イラクのクルド人自治区の治安部隊)がサーディヤの北と東から攻撃した」と語った。

 これら2地区の奪還の程度については情報に食い違いがあり、政府側が全域を奪還したという情報と、まだ一部地域を奪還できていないという情報がある。

 ペシュメルガの指揮官はAFPに「イスラム国との戦闘と、ジャラウラ地区の入り口と地区内、サーディヤ地区内に仕掛けられていた爆弾で、ペシュメルガの20人が死亡、40人以上が負傷した」と語った。道路や道路脇、建物に爆破装置を仕掛けるのはイスラム国の常とう手段で、イスラム国側が撤退あるいは排除された後も政府軍側に人的損害を与えている。

 米国が主導する空爆と各国の軍事顧問、イスラム教シーア派(Shiite)武装勢力やスンニ派部族から支援を受けたイラク政府側は一定の戦果を挙げているが、それでも依然イスラム国との激しい戦闘に直面している。(c)AFP