【11月21日 AFP】スウェーデン上級裁判所は20日、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創始者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者(43)について、性的暴行容疑で同国当局が出している逮捕状の撤回を求める同容疑者の申し立てを棄却した。法廷闘争を4年間続けてきた同容疑者にとっては新たな痛手となった。

 オーストラリア出身のアサンジ容疑者は、スウェーデンへの身柄引き渡しを回避するため2年前から英ロンドン(London)のエクアドル大使館に身を寄せている。

 スウェーデン検察は、2010年にアサンジ容疑者が同国を訪れた際に30代の女性2人が訴えた強姦(ごうかん)と性的嫌がらせについて、同容疑者を尋問したい考え。一方のアサンジ容疑者は容疑を否認。同容疑者の支持者らは、事件の背後には政治的な動機があると主張している。

 スウェーデンの上級裁判所は、ストックホルム(Stockholm)地方裁判所が出した逮捕命令の撤回の申し立てを棄却した理由について、「申し立ての審理に当たり、ジュリアン・アサンジ容疑者に相当深刻な犯罪容疑がかけられていることを考慮しなければならない。さらに、逮捕命令が取り消されれば容疑者が逃亡し、法の裁きを回避する可能性が高い」と説明した。

 アサンジ容疑者の弁護士は、スウェーデン最高裁に上訴する意向を示している。(c)AFP/Tom SULLIVAN