【11月19日 AFP】イタリア警察は18日、同国北部で犯罪組織の一斉捜索を行い、40人の身柄を拘束したとともに、マフィア組織の加入儀式を初めて撮影することに成功した。秘密に包まれてきたマフィアの儀式が初めて明るみに出た。

 警察は今回の一斉捜索に先立ち、およそ2年にわたって組織の構成員らが頻繁に立ち入る場所での盗聴や隠しカメラによる撮影などを通じた捜査を行っていた。

 組織の構成員らは結社罪のほか、武器の違法取引、恐喝などの容疑で身柄を拘束された。37人が勾留され、3人が自宅監禁とされた。

 記者会見したミラノ(Milan)地検のイルダ・ボッカシーニ(Ilda Boccassini)主任検事は、「組織への加入の儀式を初めて、直接撮影することができた」と述べ、警察への情報提供者を通じてではなく、マフィアのメンバーら自身の声から直接、詳細な情報を得ることができたと語った。

 逮捕されたのは、ミラノ周辺で活動する3組織のメンバーとみられているが、南部カラブリア(Calabria)州を拠点とする犯罪組織「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」とも関連があるとされている。ヌドランゲタは数百の小規模な犯罪組織のネットワークからなり、シチリア(Sicilian)のマフィアよりも秘密主義だとされており、市民に恐れられている。

 警察は、今回の一斉捜索により、イタリア南部を拠点とするヌドランゲタが産業と経済がより発達した同国北部に進出していることが改めて示されたとしている。

 国内メディアによると、逮捕された中には17歳の少年のほか、「雌牛のペッペ(Peppe the Cow)」のニックネームで知られる組織ボス、ジュゼッペ・ラローザ(Giuseppe Larosa)容疑者もいた。