【11月17日 AFP】エボラ出血熱への対応を支援するため、西アフリカで最も被害が深刻なリベリアに、中国から派遣された総勢160人の医療チームが到着した。

 中国の医師、疫学者、看護師らからなる医療チームは、総費用4100万ドル（約48億円）のエボラ出血熱治療施設のスタッフとして配置される。同施設は今後10日以内に完成・稼働する予定となっている。同国の張越（Zhang Yue）駐リベリア大使が16日、声明で発表した。

 同チームはこれまでにも、アジアで重症急性呼吸器症候群（Severe Acute Respiratory Syndrome、SARS）で対応にあたった経験があると同大使は述べ、また中国の対リベリア援助については総額4600万ドル（約54億円）になる見込みとした。

 リベリアでは、これまでに少なくとも2812人がエボラ出血熱で死亡している。

 中国政府は、エボラ出血熱に苦しむ国々に対し、さらなる感染拡大阻止を目的として1億2200万ドル（約142億円）相当の援助を約束している。

 中国外務省によると、同国は今年、感染症の予防と制御のための医療関連機器をはじめ、食料や現金を含む総額2億3400万元（約44億円）の緊急援助を西アフリカ諸国に提供しているという。

 中国はアフリカにとって最大の貿易相手国。自国経済の「動力源」とするための資源を求め、近年はその外交的な足跡を大陸全体に著しく拡大している。

 しかし欧州連合（EU）によるアフリカへの支援は、中国をしのぐ規模で行われている。EU首脳陣は対エボラ援助を10億ユーロ（約1460億円）に増額した。

 豪ブリスベーン（Brisbane）で15日に開幕した20か国・地域（G20）首脳会議（サミット）で各国首脳陣は、これまでに5100人以上の死者を出している「エボラ出血熱の感染拡大を国際的取り組みが確実に阻止できるようにするために必要なことを行う」用意があると表明した。(c)AFP/Zoom DOSSO