【11月13日 AFP】(一部更新)欧州宇宙機関(ESA)の彗星(すいせい)周回探査機ロゼッタ(Rosetta)から切り離された実験用着陸機「フィラエ(Philae)」は日本時間の13日未明、世界で初めて彗星に着陸した。だが、彗星表面への固定には失敗し、管制センターでは懸念が広がっている。

 ESAの発表によると、フィラエは、地球から5億1000万キロあまり離れた距離で行われた危険な降下ミッションを切り抜け、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(Comet 67P/Churyumov-Gerasimenko)に着陸。7時間に及ぶ降下の後に機体は銛で表面に固定されるはずだったが、無線信号のデータから、彗星表面の軟らかい部分に着地したか、表面で跳ね返されて再び着陸した可能性が示唆された。

 ただ、フィラエからは既に大量のデータが送信されているといい、ESAでは実験が続行できるかどうかを調べている。

 フィラエは、時速3.5キロのゆっくりとした速度で降下し、2本の銛を彗星表面に打ち込んで機体を固定するように設計されている。だが、彗星の表面の状態はこれまで解明されていなかった。また、フィラエの3本の脚の先端部には、着陸機が低重力の彗星から宇宙空間に跳ね返されるのを防ぐための氷壁用のくさびが付けられている。

 切り離し直前の最終確認では、銛の発射による反動を相殺するためにフィラエ上部に取り付けられている小型ロケットに問題が見つかっていた。(c)AFP